■「変えるもの」を決める前に「変えないもの」を決める
■「これまで」を悔やむ前に 「これから」を考える
■「アイデア」を考える前に 「当たり前」を思い出す
あなたは「心ある経営者」
朝の通勤電車をイメージする。
“今日も一日楽しく頑張るぞ”と張り切ってウキウキ、わくわくして仕事場に向かう人がどれだけいるのだろうか?理性で自分をコントロールし、仕事を自分の人生に明確に位置付け、つねに前向きに取り組んでいる人もいっぱいいることだろうと思う。でも“心から?”というと疑問が残る。少なくとも多くの人の表情からは私には読み取れない。以前の私が心から楽しめていなかったように。
その原因をさまざまだが、“企業のあり方”“会社経営のあり方”が大きく影響している。
“会社のあり方”が“個人個人のあり方”と一致していないこと。そもそも“経営者 自身のあり方”が“会社のあり方”と一致していないことが多いこと。
話は30年以上も前の学生時代に遡るが、当時私は、経営学 や商学 、マーケティング などを学んでいた。
企業の目的は“利潤の追求”であり“利潤の極大化”と教えられた。そしてそのことを素直に受け入れていた。はじめに入った会社は半分米国資本の大企業 であったが、マーケティング 部門に配属された私が教えられたのは、
「マーケティング とは自社の製品だけ売れるようにすること」だった。
その後、1980年代の後半から、「企業の社会的責任 」が謳われるようなり「企業の社会貢献 活動」が一部の余裕のある企業によって盛んに行われるようになってきた。最近ではCSR( Corporate Social Responsibility)という言葉によって、すっかり企業のあり方は、「社会的存在」ということで定着してきているようにも思われるが、あくまでも行き過ぎた営利 活動に歯止めをかける考え方であり、CSR活動そのものが“自社のPR活動の一環”であることには変わりはないと思う(なかにはそうではない企業もあると思うが)。
企業活動の目的の本質は変わらないのだ。
そんな中、経営者 自身が自分の“あり方”を想い起こし“会社のあり方”“経営のあり方”を見直すことは、とても大切で意味のある取り組みだと思う。会社に勤める従業員の人たちも、心の奥底から微笑みながら通勤することになるだろう。
私は心ある経営者 の方々と共に、“自分のあり方を想い起こし、それを会社経営に生かす取り組み”に尽力していきたいと思っている。このテーマは深い。簡単ではないと思う。だからやっていきたい。
経営アドバイザー 山田育穂